セクシャルマイノリティ と 発達障害

友情結婚生活はやはりそう上手く軌道に乗ってくれるはずもなく、日々悩まされ、今後についても悩まない日はありません。

しかし、この日々の辛さはどうやら夫タカの 発達障害 (主にASD)によるものが殆どなのではないかと気づき始めています。

実は、 セクシャルマイノリティ であることと、発達障害の発現は、完全に切り離して考えられる話ではないのかなと個人的に思うところもあり、少しまとめてみます。

※当ブログは友情結婚ブログであるはずで、そもそも発達障害とは?な方も殆どだと思いますので簡単に後述します。

セクシャルマイノリティ と 発達障害

日々発達障害について調べまくり、自分なりにだいぶ理解も深まってきたので少し考えをまとめてみたいと思います。(完全に個人的見解です)

発達障害は「遺伝子的要因」と「環境的要因」の二つが複雑に関与しているということが言われています。

仮に遺伝的要因で一般的な人たちと比較して苦手なことが多かったとしても、環境的に会得した経験値により自然にカバーできてしまっていれば、「障害」にはならないということです。


ここで、セクシャルマイノリティであることで自らを開示することを強く恐れたり抑圧してきたことで、社会との関わりが不足し、ASDの特性であるコミュニケーションの困難がより助長されている可能性は高いのではと思うところがあります。

例えば、ゲイである夫タカは、小さいころから自らのセクシャリティを隠すため、できる限り話をしたくない(話す内容が多いほどどこかでバレてしまうのではないかという恐れ)し、あまり立ち入って聞いてほしくないという思いが強かったそうです。これにより友達も少なく、情緒的交流を学ぶ機会が絶対的に少なかったのではと思う部分もあります。

気持ちよく会話するためのリズムや間の取り方、話題の選び方、相手不快にさせる言葉や態度など・・・。もちろん感じ取るのが人より苦手だとか、話を組み立てるのが苦手だとかはあるでしょうが、会話は経験値がかなり大事、とは個人的意見です。

またこのコミュニケーション障害による生きづらさから2次障害を誘発するリスクも高いといわれており、実際に夫タカは双極性障害Ⅱ型の治療も受けています。うつや不安障害を併発するパターンも多いよう。

また、タカは「他者への無関心」=「恋愛感情が無いこと」(好きな相手には強い興味が持てるから)と信じていたようで、そのせいで友情結婚における価値観の擦り合わせにも致命的な相違が生まれてしまいました。

発達障害は決して稀な特性ではないですし、このようなことからも、友情結婚を検討されている皆さまが私(我々)と同じような間違った選択をしないよう何らかの気づきに繋がることになれば幸いです。

発達障害 とは?

発達障害には、大きく分けて三つの傾向(ASD、ADHD、LD)があります。ここではLD(学習障害・知的な遅れ)については言及しないことにします。

人によってそれぞれの傾向を併せ持っていたり、その傾向の強さが異なったりすることがあり、私の見立てとしては、夫タカはASD:ADHD=9:1くらいなのかなと思っています。精神科の先生の見解としても、完全にどちらか片方しかもっていない人はまずいないようです。

グレーゾーンも含めると、全体の7~8%いるといわれています。
これって、かなり多くないですか?

友情結婚に限ったお見合いだとしても、10人ちょっと会えば1人いてもおかしくないし、学校の1クラスに3人くらいはいたことになります。

自閉スペクトラム症(ASD)

中心となる症状は、「社会コミュニケーションの障害」と「限定された反復的な行動」の二つです。

・対人関係での感情的やりとりができない

・会話が苦手(ロボットと話しているようで、こちらの気持ちを汲み取ってくれない。感情的なやりとりができない)

・周囲の空気を読めない(雰囲気を壊す発言をする、)

・同一性、習慣へのこだわり(毎日同じものを食べ続けるなど)

・興味が非常に限定的(興味のない会話は無視)

・匂い、音、光など感覚の過敏さor鈍感さ(疲れていることに気が付かないとか)

注意欠如、多動性障害(ADHD)

ADHDには、不注意、多動性、衝動性の三つの症状があります。

・ケアレスミスが多い

・自分が興味を持つことや好きな事には積極的に取り組むことができるが集中し過ぎてしまう

・物の置き忘れや物を無くすことが多い

・片付けや整理整頓が苦手

・約束や時間を守ることが苦手

・衝動的な発言や行動をすることがある

「大人の」 発達障害 とは

さて、発達障害と言えば「子供がなるもの」というイメージが強いと思います。(10代とかの方々は違うのでしょうか?)

以前は知的障害を伴い、幼少期に診断される症状を発達障害と呼んでいたそうです。

近年、必ずしも知的障害が伴うわけではないとわかってきたこと、また人によって程度の現れ方が異なるため、子供の頃には見過ごされ、大人になってから環境の変化をきっかけに気づくケースが増えているよう。

学校などでは、決められた日課に沿って行動し、周囲の環境や人間関係によってカバーされていた。また限られた人間関係の中で「個性」として認めてもらえていた可能性も高いです。

しかし社会人になって高度なコミュニケーション能力や社会性を要求されるようになり、社会生活に支障をきたし始める。また恋人や配偶者など情緒的交流を強く求められる相手との関係の中で、指摘されて初めて自覚するというパターンも多いようです。(私とタカの場合もこれ)

認知度、注目度が上がっているのはSNSの影響も大きいと思います。

セクマイも同じですが、社会での生きづらさに名前を付けると当事者は多少救われる面もありますし、話題を呼びやすいですよね。

ASDの夫を持つ妻が陥りやすい疾患。カサンドラ症候群

では、発達障害の知識などまったくなかった私が、夫の障害の可能性に気が付いたのはなぜか。

きっかけは、「カサンドラ症候群」という言葉との出会いでした。

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは、パートナーあるいは家族など身近にいる人がASDのため、適切な意思疎通や関係性を築けずに、その心的ストレスから不安障害や抑うつ状態といった症状が起きている状態を指す言葉です。

※ASDの発現は圧倒的に男性に多いらしく、その結果カサンドラに陥るのは女性側の妻であるという場合が殆どで、そのような例(ASD夫とカサンドラ妻)として語られることが多いようです。

仕事や家事はきちんとやるし、言われたこともそのとおりに聞いてくれる、飲み歩いたりもせずまっすぐ家に帰ってくるまじめな(不器用な)人が多いため、友人など家庭外の人に相談しても表向きは「いい夫」に見えてしまい誰にも理解してもらえない孤独。

普段のコミュニケーションでの無理解、無共感、無関心に疲弊し、わかってくれない夫を責めて喧嘩になったり落ち込ませたりして、関係が上手くいかないのは、障害の特徴を理解して受け止め切れていない自分が悪いのかと、自分を責めてしまう罪悪感。

主にこの2つが鬱状態を誘発し、カサンドラ状態になってしまいます。

私も、会話の不自然さで楽しくコミュニケーションできないモヤモヤ、また新婚なこともあり誰にも相談できないことから、若干鬱のような状態になっていました。

唯一の吐き出し口はTwitter!皆様の反応に何とか支えられています・・・

大きなきっかけは、夫の発言に私が傷ついた時に口論になり、「なんでこれを言うとあやが傷つくのかわからない」「俺はそう言われても別になんとも思わない」みたいなことだったと思います。

具体的に何だったか忘れたのですが、私にとっては、「そんなこと面と向かって人に言うようなことじゃないでしょ」な内容だった気がするし、「自分が何とも思わなければ何してもいいわけ?」と、あまりの自分本位ぶりに絶望し泣きました。

同時に、こんな人を選んでしまった自分の判断力の無さにも絶望し、究極的にどうしようもない気持ちになっていました