宮本輝著「ここに地終わり海始まる」読了。アセクシャルが有名恋愛小説を読んでの感想。【記事後半ネタバレあり】
以前、ポルトガルのロカ岬を訪れてから、この本が気になっていました。
できれば、行く前に読んでおけばよかったと思ったものではありますが…。
ようやく読み終えたので、今回は少し趣向を変えて、読書感想的なものを書いてみようと思いました。
なぜ、急に?
アセクシャルとして、マジョリティの方々と同じようにこの小説を楽しむことができたのだろうか?という疑問が残る読後感であったからです。
少々まとまりに欠ける記事にはなりますが、さらっと流していただければなによりです。
さて、ロカ岬とは、ヨーロッパ大陸の最西端に位置する場所。
ポルトガルでは有名な観光地のひとつ。日本人にとっては、この小説によって知名度を上げた場所かもしれません。
今回読んだ小説は、岬に建つ記念碑に刻まれた一節、「ここに地終わり、海始まる(和訳文)」をそのままタイトルに採用した、宮本輝氏の著名な一冊です。
(1994年刊行と、ちょっと、私の世代とはズレているため当時のインパクトの具合はわかりませんが・・・)
あらすじ(簡易版)
※一般に公開されているあらすじ文から、一部抜き出して独自に編集しています。
十八年間の療養生活を終えた志穂子は二十四歳を迎えるまえの日に、生まれて初めて電車に乗った。病状に奇蹟をもたらすきっかけとなったのは、リスボンから届いた一枚の絵葉書。
人と交わる暮らしを始めたばかりの志穂子に運命のいたずらが授けた力は、思い屈するすべての人に真っ直ぐ生きる勇気を与え、自らを「恋」の奔流へと導いていく。めくるめく恋への船出を描く宮本文学の最高傑作。
つまりは、恋愛小説だということです。
私は、単に自分もロカ岬の地を踏んだこと、そしてその碑文をタイトルにしている小説、ということだけで手に取ったため、あらすじは知らずに読みだしたのですが。
この後、感じたことを書きます。(自己記録に近いこともあり、断定形の文体に変えています)
また、一部ネタバレ要素あります。
性嫌悪のある方も念のため避けていただいたほうがよいかもしれません。