アセクシャルを自認するまで。
Aセクシャル/アセクシャル という単語に出会ったのは確か20代半ばのこと。
この時は自認には至らず、それから数年間は「本当に好きな人に出会えていないだけ」などの言葉を信じ、いわゆる「普通の」恋愛関係を求めて奮闘する日々を続けていました。
まだセクシャルマイノリティに関する情報も殆どなく、今ほどマイノリティを公言する人も少なかったため、自分が当てはまるとは信じられなかったのです。
友情結婚に至るまでには、ペ○ーズなどのアプリで出会った方と交際してみたり、結婚相談所で活動したりもしました。
「好き」と言ってくれる方もいましたが、私にはどうしてもその「好き」という感情がわからない。
一緒に遊ぶのは楽しいけれど、性的な欲求は理解できない。どちらかというと、嫌悪感をもっている方だと思います。
「恋愛感情 わからない」「好き わからない」
などの検索ワードで、理解できない感情を理解しようとひたすらにネット上を漁る毎日でした。
しっかりと自身のセクシャルを自認したのはたった1~2年前のこと。
私は、他者に対する恋愛感情も性的欲求もない「アロマンティック・アセクシャル(Aセク・Aロマ/Aro・Ace)」だと思っています。
(※自身の中にも性欲はありません)
結局は、自分が「普通とは違う」と認めたくなかったのだと思います。
パートナーとの夜の時間に対する苦痛に耐えきれなくなり、案外あっさりと自認にいたりました。
自分にラベルがついた途端、とても安心したことを覚えています。
私のセクシャルに関する自己紹介はこちらをご参照ください。
今でも恋愛感情を持てることへの憧れは捨てきれていません。
パートナーから「好き」と言ってもらえることは、ひとりの女性として本当に幸せなことでした。
しかし、結婚を決めたパートナーはゲイ。
自分のことを好きになってくれることはあり得ないと思うと、寂しい気持ちにもなります。
ですが、パートナーを恋愛対象として好きになれないのは私も同じこと。
そこは割り切って、人間として尊敬し、支え合い、家族としての絆を深めていきたいと思っています。
私にとっては「大好きなのでずっと一緒にいたい。そばにいるだけで幸せ。」という感情はわかりません。
しかし、無いものを証明するのは非常に難しいこと。
パートナーとの絆を深めていく中で、「好き」という感覚が芽生えたりはしないかと期待してしまう自分もいます。
突然、パートナー以外の誰かに対して恋愛感情が生まれてしまうなんてことがあると、それも困るのですが……